アリューズに出来ること

「超」高速で微細破壊する…それが超音波加工です。

加工困難な素材をどう取り扱うか。
解決方法の一つがここにあります。

  • チッピングを減らしたい
  • 高アスペクト比の深穴を加工したい
  • 劈開傾向の強い素材を劈開を抑えて加工したい
  • とにかく「硬い」素材を何とかしたい
  • 放電・ワイヤー放電加工に頼らない加工をしたい

従来の加工方法で問題が生じる場合、是非一度ご相談ください。
もしかしたら、解決の糸口が見つかるかもしれません。

超音波ロータリー加工法

超音波スピンドルもしくはユニットの上部に配置された超音波振動子(圧電セラミックス:PZT)に対して適切にコントロールされた電力を供給することによって、約20KHzという人の可聴領域以上の超高速振動を発生させます。ここで発生する振動の振幅は非常に小さなものであるため、直下に最適な設計を施した振動増幅用のホーンを配置して最終的に工具の先端に伝播させます。

工具先端には加工対象素材に最も適したダイヤモンド粒を同じく最も適したボンド(メタル、セラミックス、ガラス、電鋳メッキなど)によって分散・固定化させてあり、工具表面に現れるダイヤモンド粒の先端を高速微振動で加工対象ワークに衝突させます。イメージは掘削機で道路のコンクリートに穴を開けるといったものに近いでしょう。

衝突1回による破壊エネルギーはごく小さなものですが、20KHz(毎秒20,000回)という超高速運動ですので、結果的に難加工材であるガラス、セラミックスといった硬脆性材料を高速で加工することが可能となります。超音波ロータリー加工法はこの工具を主軸スピンドルによって回転させながら加工させていくので、見た目は通常のマシニングセンターに砥石をつけたいわゆる「グラインディングセンター」に近いと思います。しかしながらこのグラインディングセンター(=研削加工機)との大きな違いは、工具の回転力によるワーク表面の「研削」に対して、超音波「縦」高速振動による「微小破壊加工」という点です。スピンドルの回転は、真円度の向上とスラッジ排出効果を高めるためであり、回転力による研削力にはあまり頼らないのもこの加工法の特徴です。

加工対象素材

超音波加工に適する素材は、基本的に脆性(脆い)材料です。また、湿式加工を行いますので研削液(水溶性)が合わないあるいはかけられない場合は加工は出来ません。よく「金属や樹脂は加工可能ですか?」とご質問頂くのですが、金属や樹脂は脆性がないため、超音波で叩いても潰れるだけで加工が進行しません。切削の刃物を使えば加工は可能ですが超音波でアシストするメリットはあまり期待できません。

ファインセラミックス
SiC、Si3N4、ZrO2、Al2O3、Si3N4-Al2O3、AlN、YAG、BaTiO3、等
ガラス
ソーダガラス、パイレックス、BK、テンパックス、石英ガラス、化学強化ガラス、ゼロデュア、クリアセラム等
単結晶/天然鉱物
YAG、YVo4、Al2O3(サファイア、ルビー)、ZrO2、SiC、SiO2、CaF2、GGG、水晶、瑪瑙、等
コンポジット材料他
WC、サーメット、MMC 等

超音波ロータリー加工のメリット

  • 工具先端で発生するキャビテーション現象で、工具(砥石)の目詰まりを防止できる。
  • 半接触の微細破壊加工であるので、ワークに対する加工抵抗が低く、チッピングが発生しにくい。
  • 加工スピードが格段に速い。
  • 比較的粒度の大きい砥石で番手以上の面粗度が確保できる。
  • 劈開の影響を受けづらく、方位・劈開面を持った結晶素材の加工が可能。
  • 様々な工具径、形状に対応できるため、通常の機械加工(マシニングセンタ、フライス)と同様の加工が可能。

ダイヤモンド工具

主に使用
メタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド他特殊ボンド。電着ダイヤモンド、そして 電鋳ダイヤモンド。
補助的に使用
単結晶ダイヤモンド、PCD(多結晶ダイヤモンド)、ダイヤモンドコーティング

また、弊社ではドイツSCHOTT社のダイヤモンド工具を使用し国内ユーザー様にもご提供させて頂いております。 日本国内では製造できない特殊小径電鋳工具など、超音波加工に熟知した技術者が製造しております。最近では超音波加工を行っていないユーザー様でも、グラインディングセンター加工用の工具としてお使い頂くケースが非常に増えて参りました。電着工具では耐摩耗性・コストの面でお悩みがございましたら、一度ご相談ください。SCHOTT社工具に関しての情報、お問合せはこちらのページをご利用ください。

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